翌月15日→5営業日に短縮した中堅SIerが実装した、経理×PMの統合運用フレーム
はじめに:「案件P/Lが翌月15日まで分からない」を解消する
受託・コンサル・制作などのプロジェクト型ビジネスでは、月次決算で案件P/Lを確定するのに2週間以上かかるのが「普通」とされてきました。経理が工数を集計し、進捗を確認し、仕掛品を計上し、原価を確定する——という一連の作業が翌月の中旬まで続きます。
この遅延が経営判断のスピードを大きく削っています。「先月赤字だった案件があったらしいが、確定値が出るのは翌月の中旬」では、対策のリードタイムが完全に失われます。本記事では、案件P/Lを5営業日でクローズする運用フレームを、中堅SIerの実例とともに解説します。
この記事でわかること
- 月次クローズが2週間以上かかる4つの構造的要因
- 5営業日クローズを実現する経理×Deliveryの役割分担
- 段階的な月次クローズ早期化の4ステップ
- Salesforce上で実装する月次クローズ自動化
第1章:月次クローズが2週間以上かかる4つの構造的要因
要因① 工数入力が月末に集中
月末まとめ入力が前提の組織では、メンバーが工数を入力するのが翌月初の数日間に集中します。経理は「全員の工数が出揃うまで」待つことになり、ここだけで5営業日が消えます。
要因② 案件ステータスが PM 任せで更新が遅い
「この案件は3月中に検収完了したか、それとも仕掛中か」という判定は PM の確認が必要です。PM が他案件で忙しいと、ステータス更新が後回しになり、経理は判定待ちで止まります。
要因③ 工数データと会計データが分断
工数管理がExcel・別ツールにあり、会計ソフトと分断していると、CSVエクスポート→突合Excel→会計仕訳という多段階作業が発生します。1案件あたり数十分、案件数が多い組織では数日が消えます。
要因④ 検収・請求のタイミング確認に時間がかかる
案件ごとに「検収日はいつか」「請求は当月か翌月か」「追加請求はあるか」を顧客や営業に確認する作業が、メールベースで何往復も発生します。
月次クローズが遅い組織は、経理を責めるべきではない。問題は「工数・案件ステータス・検収情報」が経理に届くタイミングが遅いこと。早期化の鍵は、データ発生源(PM・営業)が経理を待たせない仕組みを作ること。
第2章:5営業日クローズを実現する経理×Deliveryの役割分担
Deliveryの責務:月初5営業日以内に「データ確定」
Deliveryマネージャー・PMは、月初5営業日以内に以下を完了します。
- 前月分の工数入力を100%完了(メンバー全員)
- 案件ステータスを更新(進行中/検収済/完了)
- 進捗率を更新(進行基準適用案件)
- 仕様変更・追加請求の発生を案件レコードに記録
経理の責務:月初6〜10営業日で「P/L確定」
Deliveryからデータが揃った段階で、経理は以下を実施します。
- 仕掛品計上(自動連携機能で半自動化)
- 売上計上(検収済案件の請求確定)
- 原価確定(工数×フルコスト単価の集計)
- 案件P/Lのクローズと経営報告
統合運用の鍵:「データ受け渡し」を仕組み化する
従来の経理×Delivery間のデータ受け渡しは、「経理が必要な情報をPMに依頼→PMが個別対応」という属人的な流れでした。これを、「Salesforce上の案件レコードが完成したら、自動で経理に通知」という仕組みに変えることで、リードタイムが劇的に短縮されます。
第3章:段階的な月次クローズ早期化の4ステップ
ステップ1:現状クローズリードタイムの計測
まず、月次クローズに何日かかっているかを正確に計測します。「月末から経営報告書提出まで」のリードタイムを測定し、各工程(工数入力・ステータス更新・仕掛品計上・原価確定・報告書作成)に何日使っているかを明確化します。
ステップ2:工数入力の日次化
最大のボトルネックである「工数入力の月末集中」を解消します。日次入力UIに切り替え、入力率モニタリングで定着させます。これだけで月初の3〜5日が短縮されます。
ステップ3:案件ステータス更新の標準化
PMが案件ステータスを更新するタイミングを「月末締日まで」と明文化します。検収完了時には即座にステータスを「検収済」に変更するルールを徹底し、経理が判定待ちで止まる時間をゼロにします。
ステップ4:仕掛品・原価集計の自動化
工数管理ツールから仕掛品・原価データを自動集計し、会計ソフトと連携します。経理の「集計作業」を「確認作業」に変えることで、月初5営業日以内のクローズが実現可能になります。
第4章:Salesforce上で実装する月次クローズ自動化
データフロー設計
商談 → 案件レコード → タスク → 工数 → 原価集計 → 仕掛品/売上原価 という一気通貫のデータフローを Salesforce 上で実装します。各段階のデータが次のステップに自動で流れる設計が、クローズ早期化の前提条件です。
月次バッチ処理
月末日に自動実行されるバッチ処理で、以下が完了します。
- 進行中案件の特定と仕掛品候補抽出
- 工数累計の集計と原価換算
- 検収済案件の売上計上仕訳作成
- 会計ソフト連携用CSVの自動生成
経営ダッシュボードへの即時反映
案件P/Lがクローズされた瞬間、経営ダッシュボードに反映されます。経営者は「月初5営業日には先月の確定P/Lが見える」状態を実現できます。
第5章:Task Relayが提供する月次クローズ早期化機能
Task Relayは、Salesforce上で動作するプロジェクト&工数管理SaaSとして、月次クローズ早期化に必要な機能を統合提供します。
- 日次工数入力UIによる月末集中の解消
- 案件ステータス自動連動の仕掛品計上ロジック
- 会計ソフト連携用CSVの自動生成(主要会計ソフト対応)
- 月次クローズ進捗ダッシュボード(工数入力率・案件ステータス更新率を可視化)
- PMと経理の連携をSlack/Teamsで通知する自動連携
| 工程 | 従来(10〜15営業日) | 統合運用(5営業日) |
|---|---|---|
| 工数入力 | 月初5営業日(集中入力) | 月末日まで完了(日次) |
| 案件ステータス更新 | 月初3営業日 | 月末日まで完了 |
| 仕掛品計上 | 月初2〜3営業日(手作業) | 月初1営業日(自動) |
| 原価集計 | 月初2〜3営業日 | 月初1〜2営業日(自動) |
| 経営報告書作成 | 月初2営業日 | 月初1営業日 |
| 合計 | 14〜16営業日 | 5営業日 |
まとめ:月次クローズ早期化は経理改革ではなく組織改革
案件P/Lを5営業日でクローズすることは、経理担当者を頑張らせるテーマではなく、組織全体のデータフローを再設計するテーマです。Delivery部門が「経理にデータを渡す責任」を負い、経理が「自動化された集計結果を確認する責任」に変わることで、組織全体の意思決定スピードが上がります。
まずは自社の月次クローズに何日かかっているかを計測してみてください。10営業日以上かかっているなら、本記事のフレームで段階的に短縮していく価値があります。
月次クローズを2週間→5営業日に。
経理×Deliveryの統合運用へ。
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