Delivery / SI 2026.04.15 PageView 9

プロジェクト赤字が続く会社に共通する原価管理の落とし穴|今すぐ確認すべき5つのチェックポイント

プロジェクト赤字が続く会社に共通する原価管理の落とし穴|今すぐ確認すべき5つのチェックポイント

「気づいたら赤字」を構造的に防ぎ、収益体質を変えるリアルタイム原価管理

はじめに:赤字プロジェクトが「常態化」する本当の理由

「うちは毎回プロジェクトが赤字になる」「なんとなく利益が出ていないがどこが問題かわからない」——プロジェクト型ビジネスを営む企業の経営者から、こうした相談を受けることが少なくありません。

興味深いのは、赤字プロジェクトが続いている会社の多くが「原価管理をしている」と答える点です。Excelで工数を集計し、毎月レポートを作成しているにもかかわらず、赤字が改善されない。その理由は「原価管理の落とし穴」にあります。

本記事では、赤字が常態化している会社に共通する5つの落とし穴と、それぞれの対処法を具体的に解説します。

この記事でわかること

  • 赤字プロジェクトが続く5つの落とし穴(月末把握・概算人件費・見えないコスト・粒度・振り返りなし)
  • 原価管理の「見える化」に必要な5つの要素
  • リアルタイム原価管理で赤字を防ぐ実践方法
  • Salesforce上で実現する一気通貫の原価管理

第1章:赤字プロジェクトが続く5つの落とし穴

落とし穴① 原価の把握が「月末」になってから

最も多く、かつ最も致命的な落とし穴が「原価の把握が月末になってから」という問題です。月末に工数を集計して初めて赤字が判明する場合、その時点では手遅れであることがほとんどです。

プロジェクトが月をまたいで進行している場合、赤字が判明した時点ではすでに追加コストの投入が進んでいます。早期に発見できれば取れたはずのリカバリー策(作業範囲の見直し・追加請求の交渉・リソースの入れ替え)が取れなくなります。

落とし穴② 人件費を「概算」で計算している

「エンジニアの時間単価は一律5,000円」「デザイナーは4,000円」といった概算単価で原価を計算している場合、実態とのズレが積み重なります。

実際の人件費は社員ごとに異なり、残業代・社会保険料・間接費を含めた「フルコスト」で計算しなければ正確な原価は出ません。概算単価での計算は「黒字に見えて実は赤字」という事態を引き起こす原因になります。

落とし穴③ 「見えないコスト」が計上されていない

原価管理でよく見落とされるのが「見えないコスト」です。以下のようなコストが計上されていないケースは非常に多いです。

  • 管理業務工数(PM・進捗管理・顧客対応・社内調整の時間)
  • 修正対応工数(仕様変更・クライアントからの差し戻し対応)
  • 会議・報告書作成の時間
  • ツール・ソフトウェアのライセンス費用按分

これらが「現場の感覚」では重くても、原価として計上されていないため、「なぜ赤字なのかわからない」という事態が発生します。

落とし穴④ タスク単位ではなくプロジェクト単位でしか管理していない

プロジェクト全体の採算は見えていても、どのタスクが赤字の原因になっているかが分からない場合、改善策が打てません。

例えば「プロジェクトAが赤字」とわかっても、それが設計フェーズなのか、テストフェーズなのか、顧客対応なのかによって、対策はまったく異なります。タスク単位で原価を把握できていないと、問題の根本を特定できないまま次のプロジェクトでも同じミスを繰り返します。

落とし穴⑤ 見積と実績の乖離を「振り返らない」

プロジェクト終了後に「なぜ赤字になったか」を分析する仕組みがない会社では、同じミスが繰り返されます。見積と実績の乖離を記録・分析し、次の見積に反映するサイクルがないと、いつまでも「感覚見積もり」から脱却できません。

原則

原価管理の黄金律:「週次でアラートを出せる仕組みがなければ、原価管理をしていないのと同じ」。月末に判明する赤字は、すでに手遅れの赤字である。

第2章:原価管理の「見える化」に必要な5つの要素

原価管理を機能させるには、以下の5つの要素がすべて揃っている必要があります。一つでも欠けると、データは経営判断の道具になりません。

要素① タスク単位の工数記録

プロジェクト単位ではなく、タスク単位で工数を記録することで「どのタスクに何時間かかったか」が分かります。これがなければ、赤字の原因タスクを特定することはできません。

要素② 稼働種別の分類

新規開発・修正・会議・調整など稼働の種別を分けて記録することで、コストの内訳が可視化されます。「修正対応工数が30%を超えるプロジェクト」のような異常検知が可能になります。

要素③ リアルタイム集計

日次で工数が集計されることで、月末を待たずに進行中の原価を把握できます。週次でレビューできる体制があれば、悪化の兆候を早期に捕まえられます。

要素④ 予算対比の可視化

予算消化率と進捗率の差分、利益率の推移をダッシュボードで一覧できることが、経営判断の精度を決めます。「予算消化率70%なのに進捗50%」という乖離が一目で見える状態が理想です。

要素⑤ 振り返りデータの蓄積

完了プロジェクトの見積実績乖離をデータベース化し、次の見積に流す仕組みが必要です。これがないと、見積精度はいつまでも「担当者の感覚」のままです。

第3章:リアルタイム原価管理で赤字を防ぐ実践方法

週次チェックの仕組みを作る

まず最低限のアクションとして「週次で予算消化率を確認する」仕組みを作ります。予算の50%を消化した時点で進捗が30%しかない場合、何かがおかしいと即座に判断できます。

週次チェックを行うには、工数がリアルタイムで集計されている必要があります。月末一括入力の運用では週次チェックができないため、まずここから改善が必要です。

アラート基準を設定する

以下のような基準でアラートを設定し、問題の早期発見を自動化します。

  • 予算消化率が進捗率を20%以上上回った場合
  • 特定タスクの実績工数が予算工数の120%を超えた場合
  • プロジェクト全体の利益率が基準値(例:15%)を下回った場合

「赤字の原因」を記録・分析するサイクルを作る

プロジェクト完了後に必ず「振り返りレポート」を作成し、見積との乖離要因を記録します。この蓄積が次回の見積精度を高め、プロジェクト赤字の根本的な改善につながります。

第4章:Task Relayによる原価管理の実現

Task Relayは、上記5つの要素をすべてSalesforce上で実現します。

  • 日次工数カレンダーでリアルタイムに原価が集計される
  • タスク×稼働種別で人件費を自動計算
  • プロジェクト収支ダッシュボードで利益率をリアルタイム可視化
  • 予算対実績の乖離をグラフで確認、早期アラート
  • 過去プロジェクトのデータが蓄積され、見積改善に活用可能

「気づいたら赤字」という事態を構造的に防ぎ、プロジェクト型ビジネスの収益体質を改善します。

要素 得られる情報
① タスク単位の工数記録 どのタスクに何時間かかったかが分かる
② 稼働種別の分類 開発・修正・会議などコストの内訳が分かる
③ リアルタイム集計 月末を待たず、進行中に原価が把握できる
④ 予算対比の可視化 予算消化率・利益率をダッシュボードで確認
⑤ 振り返りデータの蓄積 見積精度を改善するための履歴

まとめ:赤字は「気合い」ではなく「仕組み」で防ぐ

プロジェクト赤字が常態化している会社に共通するのは、原価管理の仕組みに5つの落とし穴があることです。月末把握・概算人件費・見えないコストの未計上・タスク単位管理の不在・振り返りなし——これらを一つひとつ改善することで、収益体質は必ず改善できます。

重要なのは「リアルタイムで原価が見える状態」を作ること。進行中に問題を発見できる仕組みがあれば、赤字プロジェクトのほとんどは事前に防ぐことができます。

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