Delivery / SI 2026.05.03 PageView 120

SI受託で粗利率を守る、案件採算管理7つの鉄則

SI受託で粗利率を守る、案件採算管理7つの鉄則

受注時20%、検収時5%まで落ちる構造から脱却するための実装原則

はじめに:SI案件の粗利率はどこで削られるのか

SI受託の現場では、受注時に20%以上あったはずの想定粗利率が、検収時には5%、ときにはマイナスにまで落ち込んでいる——という事象が珍しくありません。Deliveryマネージャーが頭を抱える光景は業界の風物詩のようになっていますが、この現象には共通する原因があり、構造的に防ぐことが可能です。

本記事では、SI案件管理において粗利を蝕む典型パターンを整理し、Delivery部門が押さえるべき採算管理7つの鉄則を提示します。受託開発の案件ポートフォリオ全体で粗利率を守るための、実装可能な原則集です。

この記事でわかること

  • SI案件の粗利が削られる3つの典型パターン
  • 粗利率を守るための7つの鉄則
  • 案件採算管理を仕組みに落とすロードマップ
  • SalesforceとTask Relayで実現する一気通貫管理

第1章:SI案件の粗利が削られる3つの典型パターン

パターン① 仕様変更を「金額換算」しないまま受け入れる

営業や顧客折衝の現場で「ちょっとした修正」「軽微な追加」と言われた仕様変更を、原価への影響を測らないまま受けてしまう——これが粗利を削る最大の入口です。1件あたりは数十時間でも、案件全体で10件積み上がれば、容易に数百時間が膨らみます。

パターン② 多重下請け構造で原価実態が見えない

一次請け・二次請け・三次請けと階層化された案件では、各層の単価とマージン構造が複雑で、エンドの実工数と支払い金額の整合が見えなくなります。誰がどこで何時間動いているかを集約できないまま、月次の請求書だけが積み上がる構造は、粗利の透明性を失わせます。

パターン③ 検収条件と納品物の合意が緩い

スコープと検収条件が曖昧な状態で開発に入ると、検収段階で「これも含まれていると思った」「品質要件が違う」という追加対応が発生します。合意の解像度の低さは、必ず後工程で工数として跳ね返ります。

第2章:粗利率を守る7つの鉄則

鉄則① タスク単位で予実を管理する

案件全体の工数管理では遅すぎます。WBSのタスクごとに予算工数を持たせ、実績工数と並べる粒度で管理することで、悪化の兆候を早期に検知できます。タスク単位の予実管理は、SI案件管理の最低ラインです。

鉄則② 人件費はフルコストで原価に算入する

時間単価×工数で原価を出すとき、給与だけで計算すると実態より低く出ます。社会保険料・賞与引当・間接費・遊休時間を加味した「フルコスト単価」を使うことで、初めて本当の粗利が見えます。フルコスト化していない原価は、粗利を錯覚させる最大要因です。

鉄則③ 仕様変更の影響を「金額」で即時把握する

仕様変更があった瞬間に、追加工数の見積と、案件想定粗利率への影響を金額ベースで提示できる仕組みを持ちます。「この仕様変更で粗利率は2ポイント下がる」と即座に言える状態にしておけば、無償受け入れか有償交渉かの判断が組織として整います。

鉄則④ ボトルネック工程を週次で検知する

案件全体の進捗だけ見ていると、特定工程の遅延が他工程の追加工数として跳ね返るまで気づけません。設計・開発・テスト・受入支援といった工程別に予算消化率と進捗率を週次で並べ、乖離が10%を超える工程はその週のうちに介入対象とします。

鉄則⑤ 多重下請け構造を透明化する

社外パートナーの工数も自社のプロジェクト管理基盤に集約して可視化します。タスク単位で社内・社外の稼働を区別して記録すれば、「どの工程に何時間、どの単価のリソースを使ったか」が見えるようになり、粗利の根拠を示せる構造になります。

鉄則⑥ 検収条件と納品物を合意管理する

プロジェクト計画段階で、検収条件・納品物リスト・受入基準を顧客と合意し、Salesforceの商談・案件レコードに紐付けて管理します。曖昧な合意は、検収時の追加工数として必ず姿を現します。

鉄則⑦ 案件終了後にデータベース化する

完了案件ごとに「見積/実績の乖離」「想定/実績の粗利率」「主な乖離要因」をデータとして残します。これが蓄積されると、次回見積でリスクバッファを根拠を持って積めるようになり、低粗利の案件を受注前に弾けるようになります。

原則

SI案件の粗利率は、受注後の現場努力ではなく、タスク粒度の予実管理・フルコスト原価・仕様変更の金額化・週次のボトルネック検知という4つの仕組みで構造的に守る。属人的な現場力に依存する採算管理は、必ず破綻する。

第3章:採算管理を仕組みに落とすロードマップ

ステップ1:基盤データを統合する(案件・タスク・工数・契約)

商談・案件・契約金額を握るSalesforceと、タスク・工数を握るプロジェクト管理ツールが分断していると、案件粗利を出すたびに人手が介在します。受託案件のSI採算管理は、この基盤統合が出発点です。

ステップ2:原価モデルを設計する

メンバーごとのフルコスト単価、ロール別単価、外注パートナー単価を整備します。原価モデルが固まらない限り、ダッシュボード上の粗利率は信頼できる数値になりません。

ステップ3:週次レビュー運用を立ち上げる

Deliveryマネージャー・PMが集まる週次レビューを設定し、案件粗利ヒートマップ・ボトルネック工程・仕様変更の累計影響を必ずレビューする運用を定着させます。レビューの場で「赤」案件には責任者を付ける運用が、組織の規律を作ります。

ステップ4:振り返りループを回す

案件完了時に必ず振り返りレポートを作成し、見積実績乖離をデータベース化します。半期ごとに乖離傾向を分析し、見積基準と契約条件にフィードバックします。

第4章:Task RelayでSalesforce商談と案件採算を一気通貫にする

Task Relayは、Salesforce上で動作する受託開発・SI向けプロジェクト&工数管理SaaSです。商談・契約金額・案件・タスク・工数・原価が同じデータモデルに乗るため、本記事の7つの鉄則をそのまま運用に落とせます。

  • Salesforce商談から案件・タスクへ自動展開し、タスク単位の予実管理が即時に立ち上がる
  • メンバー別フルコスト単価により、案件粗利率がリアルタイム集計
  • 仕様変更タスクを起票するだけで、粗利率への影響金額が自動算出
  • 週次の案件粗利ヒートマップとボトルネック工程レポートを標準提供
  • 完了案件の振り返りデータが自動で蓄積され、次回見積に活用可能

Salesforceに既に投資している企業ほど、追加コスト最小で採算管理の仕組み化を進められるのがTask Relayの特徴です。

鉄則 実装ポイント
① タスク単位の予実管理 WBSのタスクに予算工数を持たせ、実績と並べる
② フルコスト原価 社会保険・賞与・間接費を含めた単価で計算
③ 仕様変更の金額化 追加タスク起票で粗利率影響を即時算出
④ ボトルネック検知 工程別予算消化率と進捗率を週次レビュー
⑤ 多重下請け透明化 社内外の工数を同一プラットフォームに集約
⑥ 検収条件の合意管理 商談レコードに納品物・受入基準を紐付け
⑦ 振り返りのDB化 見積実績乖離をデータとして次回に流す

まとめ:粗利は「現場の頑張り」ではなく「仕組み」で守る

SI案件の粗利率を守るのは、PMの個人的な力量ではなく、Delivery部門全体の仕組みです。タスク単位予実、フルコスト原価、仕様変更の金額化、週次ボトルネック検知、多重下請けの透明化、検収条件の合意、振り返りのDB化——この7つの鉄則を仕組みとして実装することで、案件ポートフォリオ全体の粗利率は構造的に底上げされます。

まずは現状の案件管理が、本記事の7つのうちいくつを満たしているかを点検してみてください。

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